「きみなら、もっと上手くできるよ!」
先日見たマジックショーで、私は衝撃を受けた。マジックと聞くと、ものが消えたり宙に浮いたり・・・他の誰もできないようなすごいことを自慢げにやってみせる様を想像していたのだが・・・。
目にしたのは、子どもでもやり方が分かればできること。それも、丁寧に解説までしてくれていた。時には、わざとタネが見えるような小道具を使用して、その場をなごませ、笑わせた。
見ていた子どもたちは思っただろう。「僕なら、ちゃんとタネが見えないように、できるよ。やってみたいなぁ。」と。
今まで私は、自分が成功した方法を教えてあげれば、相手も上手くいき、喜ぶと思っていた。でも実際、育児の中で自分が上手くいったやり方は、他の人には合わないことが多くあった。
そして、「うちは、まだ字を書いたり読んだりはできないよ。」「毎日けんかばっかりで大変だよ。」というような、一見上手くいってない話が、人を安心させることに気付いた。
これこそが、本当に私がめざしていたものではないだろうか・・・。失敗しているときにはつらくてたまらなかったが、誰かが見て、「あそこの、うちも同じなんだ。明日も頑張ろう!」と思えるならばうれしいと今は感じる。